KeyHoleTV開発者のブログ

日々の質問や開発の日記

著作権法とKeyHoleTV (その2)他のシステムの場合(SKYLIVE NET TV)

現在、ネット上では日本のテレビ番組を見る、ラジオ番組を聴くために様々なシステムが存在している。 日本国内であれば、著作権法をクリアしているTVerラジコ等があるがこれらのシステムは、残念ながら海外では利用できない。過去にはVPNを利用して視聴が可能な時期もあった。しかし、VPNはアドレスが特定されているので、TVerラジコのシステムが特定のアドレスを排除すれば使えなくなる。 同様にアマゾンプライムビデオNetFlixといった動画サイトでも、VPNからの接続に関して制限を設ければ海外からの利用はできなくなる。そのため、出張や赴任なので、海外にいる日本人は、他のシステムを利用せざる負えない。 

また、ProxyとVPNを組み合わせのサービスがでてきている。これである程度Tverやアマゾンプライム、NetFlixの視聴は可能なる。しかし、Proxyとして番組を他の媒体で記憶させ、他の第三者にそれを渡してよいかという問題があり、ある程度時間が建てば、Tverやアマゾンプライム、NetFlixなどが対策をとる可能性がある。相手のアドレスがわかれば停止されるし、Proxyに蓄えないで利用者単位の個々の通信を行うようならば、大量の通信が特定のアドレスに偏る。そうなれば、対策され停止させられる。更に、Tverは契約がないため問題ががないと思う。しかし、NetFlixやアマゾンプライムビデオでは登録した国でしか基本的に視聴できない契約になっている。これを破って視聴すると、何らかの法的な問題を抱えることになる可能性がある(判って違反しているので、民事訴訟ではなくなる可能性もある。)

全てのVPNシステムに共通する問題として、少数の利用に関しては特に問題は発生しない。しかし、利用者が増加し、その利用者がビデオ受信をするとあっという間、VPNサーバの通信帯域幅を超えてしまう。そうなると、当然視聴はできない。

KeyHoleTVシステムは、著作権法に対して回避できる法的な根拠がある。しかし、他のシステムでは著作権法を回避できる法的な根拠があるのかを調べてみた。

これから示す多くの海外から日本のテレビを視聴を提供するウェブサイトは、残念ながら日本国内からアクセスできない。アクセスすると、

f:id:KeyHoleTV:20210613033556p:plain

日本からアクセス その1

f:id:KeyHoleTV:20210613033648p:plain

日本からのアクセス その2

のようになってしまう。上記の画像は、海外から日本にあるVPNを介してアクセスした結果を表示している。 KeyHoleTVは、海外からも日本からもアクセス可能で、日本のテレビを視聴するアプリケーションは、海外はもとより日本国内でも利用可能だ。

日本からのアクセスできないサイトを検証するためには、海外のVPNサーバまたはブラウザ検証サイトを用いればよい。 ブラウザ検証サイトは、browserlingと呼ばれていてアクセスすると以下のようなページを表示する。

f:id:KeyHoleTV:20210613062826p:plain

ブラウザ検証サイト

アドレスバーにURLを入れると、そのサイトが表示される。 日本からアクセスしても表示されないサイトでもサイトの内容を確認できる。 

 

SKYLIVE NET TV

このサイト(https://skylivetv.net/)にアクセスすると、Chromium ブラウザでは、安全な接続でなないと警告がでる。 また、このサイトは、日本からのアクセスができないので、

上記のbrowserlingを利用してアクセスする必要がある。

f:id:KeyHoleTV:20210613141429p:plain

エラー表示

これを無視して内容を表示させると

f:id:KeyHoleTV:20210613141918p:plain

Sky Live Net TV

となる。内容を見てみると、このサイトにはプライバシポリシーの記載がない。この記載がない場合、このサイトをアクセスしたり、アプリをダウンロードして実行すると、利用者の情報(クレジットカードの番号や住所等)がこのサイトを運営している会社にダダ漏れになる。

利用方法をクリックすると、

f:id:KeyHoleTV:20210614024838p:plain

利用方法

のような表示になる。少なくとも、現在はパスワードを取得しないと内容が確認出来ないようだ。 以前は、利用法を選択すると、

f:id:KeyHoleTV:20210614095257p:plain

アプリケーションの選択

となっていた。Winodwsを選ぶと、SnowPlayerがインストールされる。Macを選ぶと

IPTV1.4 がダウンロードされる。IPTV1.4は、ZIP形式になっているので、展開してアイコンをディスクトップに移動すれば、アプリケーションが利用できる。 iPhoneやiPad

では、EasyAppIconをインストールする。

まず、Windows用のSnowPlayerから見てみよう。SnowPlayerは、インストーラが梱包されたEXE形式で配布される。 安全性が確認できないソフトウェアをインストール出来ないので、同様なアプリケーションがgithubに置いてあるので、それをダウンロードした。するとZIP形式のファイルになっている。 安全性を向上させるために、UbuntuでダウンロードしZIPファイルを展開した。

ZIP形式を展開すると、

f:id:KeyHoleTV:20210614103846p:plain

Windows用SnowPlayer

となっている。これだけ見ると問題がないように見える。 しかし、問題は、plugins フォルダだ。 このフォルダを開くと、

f:id:KeyHoleTV:20210617050446p:plain

pluginsフォルダ

と1つのフォルダと1つのファイルが表示される。 ここで問題なのが、misc_shelldll.dllだ。Googleでこのフィアルを調べると

と出てくる。 その内容は、3072 バイトのファイルで、プロセスを生み出すDLLとなっている。 プロセスの種類によっては、悪意のある場合もあるようだ。 misc_shelldll.dllのファイルの大きさは、3.1 kb となっている。しかし詳細を見てみると、

f:id:KeyHoleTV:20210617065138p:plain

miscshell_dill.dill サイズ

となり、3072 バイトの大きさであることから、上記のDLLと同じものだと想定できる。次にpluginsフォルダにあるbassの中身を見てみよう。

f:id:KeyHoleTV:20210617081954p:plain

bassフォルダ

bassフォルダには、bassに関連したようなdllが入っている。 この中で、ファイルサイズが最も大きいのは、bass_aac.dll で、ファイルの詳細配下のようになっている。

f:id:KeyHoleTV:20210617085351p:plain

bass_aac.dll

また、bass_aac.dll の作成された日付は、

f:id:KeyHoleTV:20210618073431p:plain

bass_aac.dll 作成日時

で、2010年となっていて、結構古いバージョンであると想定できる。 このbass_aac.dll は、複数のサイトで複数のバージョンのDLLをダウンロード可能になっている。 例えば、Bass_aac.dll Download - DLL 4 Freeでは、

f:id:KeyHoleTV:20210617100817p:plain

bass_aac.dll ダウンロード

3つのバージョンのダウンロードが可能になっている。 このサイトで示しているファイルサイズは、146.2 KB, 146.3 KB 147.0 KBとなっており、SnowPlayerで配布されるDLLのファイルサイズ(151.4 KB)とは異なっており、配布されるDLLの方が大きい。バージョンが古い場合があるので、おそらく最新のバージョンを配布しているあろうサイトでは、

f:id:KeyHoleTV:20210618073729p:plain

bass_aac.dll 最新バージョン

となっている。 ファイルサイズが近いので、ダウンロードしてみてファイルの大きさを比べてみた。

f:id:KeyHoleTV:20210618083620p:plain

bass_aac.dll 新バージョンのサイズと作成日時

新しいバージョンは、2019年の作成、ファイルの大きさはは、SnowPlayerで配布されているものより大きい。 何らかの機能が追加されたものと想定する。 では、SnowPlayerと一緒に配布されているbass_aac_dll は、何故古いバージョンにも拘わらずファイルサイズが大きのかという問題がある。これは、misc_shelldll.dll と密接な関係があると想定できる。 misc_shelldll.dll はプロセスを生成して実行するDLLだ。必要なDLLを実行する分には問題がない。しかし本来の機能以外に何らかの別の処理を行うようなDLLが合った場合、おそらくウィルスもしくはマルウェアという扱いになる。即ち、bass_aac.dllに余計な機能が付加されそれがmisc_shelldll.dllでプロセスとしてPC上で実行される。従って、SnowPlayerをダウンロードして実行するのは、大変危険でトロイの木馬の可能性も否定できない

 

Mac版を見てみよう。 Mac版をダウンロードすると、IPTV_1.4.zip がダウンロードされる。これを解凍すると。

f:id:KeyHoleTV:20210618124151p:plain

IPTV_1.4

IPTVアプリケーションが得られる。 これをダブルクリックするとアプリケーションが起動する。Macの場合Windowsと異なって、アプリケーションだけがインストールされるので、基本的にOSに関連するファイルへの書き込みはない。

実行してみると、無料視聴用のNHK教育放送があったので視聴した。 視聴中どんな通信を行っているかをnetstat で調べてみた。すると

f:id:KeyHoleTV:20210619024623p:plain

IPTVの通信の接続状況

多くの通信が張られている。これらのアドレスを検索すると、通信相手は、中華人民共和国だった。通信の接続が達成(ESTABLISHED)されているので、Macに保存されている個人情報等のファイルが相手に送らられる可能性がある。視聴している間に個人情報が抜かれる金券性が高い。また、どこと通信しているのかをtcpdumpで調べた見た。

f:id:KeyHoleTV:20210619030137p:plain

TCPDUMPの結果

通信相手は、183.61.242.60からで中国の Dongguan市からだった。 テレビ映像の通信は、183.61.242.60で、通信を確立してるのが他のアドレスであるため、映像や音声のデータではなく確実に何らかの情報を送信もしくは受信している。 このため、IPTVを利用するのは、大変危険であると云わざる負えない

 

iPhone, IPad用のアプリを見てみよう。 iPhoneやiPad用のアプリケーションは、EasyAppIconと呼ばれるアプリケーションをiOSデバイスにインストールするようだ。

f:id:KeyHoleTV:20210619072411p:plain

EasyAppIcon

過去EasyAppIconは、AppStoreに掲載されていた。しかし現在はなくなっているようだ。このアプリケーションは、アイコンを作るアプリケーションのはずで、TV番組の視聴を目的としていない。しかし、このアプリケーションは、アイコンの作成(丸に+)ボタンをタップして、アイコン名を入れる際、「tv:www.allipcast.com」と入力してから、Playボタンをタップすると、ログイン名とパスワードを聞いてくる。 正しくログイン名とパスワードを入力すると番組表が表示されるようだ。 AppStoreから締め出されているような偽装アプリを利用する方法は、本システムが著作権法に対して有効な法的な根拠を持っているとは考えづらい。 同様に、SnowPlayerでは、トロイの木馬の可能性のあるアプリを配布、Mac版のIPTVでは、番組とは関係がない複数のサイトと勝手に通信を結ぶ、 これらのことからも著作権法に対して有効な法的な根拠がないものと想定できる。

IPTVの遅延を見てみる。 

番組が表示している時間と時計を見くらべてみると、およそ2分以上の遅延がある。これでは、緊急時の速報として役に立たない。 ”リアルタイム”を謳い文句としているが、2分以上の遅延ではリアルタイムを謳うことはできない。2分遅れの電話の会話は、可能かどうか考えてみてほしい。 このような遅延があるようなシステムでは、

著作権法に対して有効な法的な根拠は存在しない。 これを利用されている利用者にも著作権法が適応される可能性が高い